今日はすこしまじめな話
中村哲さんという方をご存じでしょうか。
アフガンの荒れ果てた砂漠を緑の大地に変えた日本人の医師です。
長年貧しい辺境の地で医療活動を続けてきた中村医師は背景にあるものを断たないと病気は減らないという壁に突き当ります。飢えと渇きが多くの人の命を奪っていました。貧困と不衛生な環境が子供の命を奪います。
水さえあれば土地が生き返り農業ができる。人々の生活が豊かになり病気も減ります。しかしながらアフガンの地は歴史的な大干ばつが何十年も続き 完全に干上がっていました。
医者を100人連れて来るより水路を1本つくったほうがいい。1つの用水路がこの地に住むたくさんの人々を救う。そう思った中村医師は目の前の命を救うため白衣を脱ぐ決意をしました。
世界中に見放された国アフガニスタンの人々の命を救うために中村医師は住民たちを導き用水路をつくるために奔走します。日本人がお金を出し重機を使えばもっと簡単に早く完成するでしょう。ですが、それでは日本人が去った後、現地の人が用水路を管理できません。住民が自分達で維持管理ができないと意味がないのです。
住民たちの力で用水路を掘り進めます。補修が必要なときは自分達でなおせるノウハウを身に付けます。食料を配給し日当を払い用水路を建設するのです。何度も何度も失敗を繰り返しながら。
そしてやっとひとつの用水路が完成します。
水は大地を潤し緑の恵みを与えました。
稲が実り、果物が育ち、魚が泳ぎ、人々の生活が豊かになりました。
用水路は60万人以上の住民を救いました。
『目の前の命を救いたい』
ひとりの医師の願いが奇跡を起こしています。
中村医師は2019年にアフガニスタンで亡くなりました。
その志は引き継がれ今も活動が続いています。ここに書いたことはほんの一部で、中村医師の活動と功績は多くの書籍が出版されています。興味があるかたは是非ご覧になって下さい。動画も残っています。 *1*2
こちらは 長坂真護(ながさかまご)さん
“世界最大級の電子機器の墓場”
ガーナのスラム街 アグボグブロシー
西アフリカ・ガーナのスラム街アグボグブロシーは世界最大の電子廃棄物捨場があり世界中からスマホやパソコンなどの電子廃棄物が集まってきます。現地に住む人々は有害な煙にさらされながら廃棄物を燃やし、金属を売り、日々暮らしています。
先進国が捨てた電子機器を燃やし、有毒ガスを吸いながら、1日わずか500円で生きるスラム街の若者たち。MAGOさんが目のあたりにしたのは、大量のガスを吸い癌になり、30代でこの世を去ると言われている彼らの姿。MAGOさんはアートの力を使って、“我々先進国の豊かな生活は、このスラム街の人々の犠牲のもとに成り立っているという真実”を先進国に伝えることを決意しました。
不法投棄された電子廃棄物を再利用しアート作品として昇華させ販売。これまでに1000個以上のガスマスクをガーナに届け、現地に完全無料の学校を設立。新規雇用の創出、電子廃棄物アートミュージアムを開館。この美術館設立までの様子をドキュメンタリー映画としてハリウッドで制作中とのこと。
ゴミをアート作品に使うことでガーナのゴミが減ります。アート作品を数十万円から1千万円以上で販売。その利益をガーナに還元することで、現地に住んでいる人々の生活の質を向上させる。先進国の人が排出したゴミを使ったアートを先進国の人が購入することで、ガーナのゴミ問題が解決されるのです。
手越くんも今年の4月にMAGOさんの展覧会に画伯として参加しました。
手越くんの作品は110万円の値がつきました。
手越画伯のアート作品もガーナの人々を支援する一翼を担いましたね。
MAGOさんの目標は2030年までに100億円以上集め、現地に最先端のリサイクル工場を建設することだそうです。この世界中からゴミが集まるネットワークはそのままに、彼らを工場に再雇用し、世界最悪の電子機器墓場の街を公害ゼロのサスティブルタウンへと変貌させること。アートで地域格差をなくし「平和」な世界を作りたいそうです。
MAGOさんもまた アーティストとして世界を変えようとしています。
手越くんは「プペルみたい」と言っていました。*3
すごくないですか?
ひとのちからってすごい。
たったひとりでも世界は大きく変わるんです。最初は小さな一歩でもやがて大きな力になる。困っている人を助けたい。元気になってもらいたい。命を助けたい。笑顔にしてあげたい。
誰にでもできることじゃない。
神さまに選ばれた特別な人達なんだと思います。
ボランティア精神 =「 見返りを求めない無償の奉仕活動 」自分の体と時間を使って、他の人のためになることをすること。
組織というものは 大きくなるほど人は動けなくなります。
日本は平和で豊かな国だから気づかない人が多いけれど 世界にはいろんな人達がいます。狭い世界しか見てない人にはわからない。知らないことは恥ずかしいことじゃない。だけど、知っている人、見てきた人、頑張ろうとしている人を理解しようとせず、笑ったり、バカにしたり、攻撃したりするのは恥ずかしいことだと思います。
そのためにも
大きな影響力、発信力を持ちたい。
わたしは そんな美しい人
頑張っている人を 応援しています。